漫画で考える地方のリアルとこれから。「地方は活性化するか否か」は読んでおいたほうがいい

こばやしたけし
このサイトの記事内には広告が含まれています。

地方創生だ町興しだなんだって最近よく耳にするようにはなってきたんだけど、その実それほど関心がないというか自分の住んでる自治体がなにやってるかって把握してる人はそんなにいないんじゃないんかなーと思うんですけども。

三年以内に地方への移住を決めた身としてはこういった地方の抱える問題なんかってのと関わっていく可能性があるわけで、いろんな媒体を通して勉強とか情報収集をしているわけです。

好きの反対は無関心とはよく言ったもので、相当な愛着がないと自分の住んでるところのことすらろくに知らないのが現代人のリアルだと思うの。

ただ、これだけ地方の開発だのが言われてきているってことは、現実問題マジでよろしくない状況になってきてるってことなんです。

だからね、地方で実際にどんな問題が起きてるかってのを知るのはやっぱり大事なことで、まずは一般論としてどういうことが起きているかってのを知るのにおすすめしたいのがこの地方は活性化するか否かなんです。

マンガでお勉強できる本ということで軽く要約していきます。

スポンサーリンク

マンガでわかる「地方」のこれから

可愛いイラストが目を引く表紙で、内容もそれなりにゆるくはあるんだけど。でも地方の実情をズバズバ鋭く突いてくれています。

ちなみにこの本、ウェブマンガを再構成して出版したものなので、おおまかな内容はウェブで観ることができますんで、そっちを観てもらうのもいいと思う。

Web4コマ 地方は活性化するか否か

タイトルは堅くて、絵柄はゆるくてっていうギャップがいいよね。マンガ自体はわかりやすく軽く書かれていて、細かい部分は間に挟まれるコラムで解説してくれてるんで、感覚的にかつ詳しく読んでくことができます。なかなかの親切設計。

地方の抱えるリアル

地方の問題は日本全体の問題へつながっている

「人口減少」「少子高齢化」「出生率減少」「若年層の地域外への流出」「中心市街地の衰退」……。これらが現実の地方に問題として存在しているわけですけど、ただこれらってどれも直近でヤバイってことにはなってこないんだよね。

これが実際怖いことで、実感がないとどうにかしようって気にもなかなかなれないもの。夏休みも終わりかけにならないとなかなか宿題やる気にならなかったりするでしょ、それと同じよ。

そしてこれらの原因ってのは、仕事だったり大学進学だったりで地方から都市部へ人材が流れていってしまっているってこと。愛着以外で地方に残り続けるメリットってのがなかなかないんだよね、現実問題。

ただ、人口減少だの少子高齢化だのってのは日本全体の問題もであるんだよね。ということは地方の問題を解消することが日本の問題を解消することとイコールになってるってこと。

そういう意味では夏休みの宿題ってのは言い得て妙かもしれない。一極集中の発展の影に隠れて後回しにされていた問題のツケが地方に回ってきているってことだから。

車社会の闇は深いのか?

地方の出生率の減少の原因として、出会いの少なさがある。人口が減っているから出会いがない、出会いがないから結婚もできない子供も産めないの負のスパイラル。

で、意外なところでこの出会いの少なさには地方の車社会が少なからず起因しているのではないかと。

たしかに、車中心の生活ではなかなか人との出会いなんてのはなかなかないんでしょうけど、かといって電車中心の生活でもそこまで出会いがあるかといったらそんな気もしない。

まぁでも機会そのものが少ないというのにはそのとおりだとは思うんだけど。出会いがほしいならとにかく人のいるところに行けというのはまさにそのとおりだとは思うしね。

内から外から県外資本に包囲された地方都市

これはわたしの住んでるところでもそうなんですけど、地方都市の駅前とかって大概チェーン店とか大手のビジネスホテルで埋まってるんですよね。

採算が取れそうなところにはお金のあるところがどんどん進出してきて食いつぶされて、地元企業や個人商店は苦しめられる。

さらには県外資本ゆえに、税金も地方には回ってこないためまったく潤わない。

ついでに郊外にはイオンとかいう略奪者。さらにはネット通販も発展してきて意識しないと地元にお金を落とすことすら難しいというのが地方のガチなリアル。

f:id:apokaru:20160505135602j:plain

なんつーかもう八方塞がりここに極まれり。地方に逃げ場なし状態はとっくにキマっちゃってるんだよねぇ。

予算消化が目的な自治体の事業

地方創生が声高に叫ばれるようになったことで、国から地方へ結構な額の補助金が流れるようになった。

それが有用に使われて地域の発展につながればいいんだけど、ところが地方行政なんてのはそういうお金儲けに関しては基本素人でしかないんだよね。

だから、補助金だなんだといったところで、地域の発展よりも予算を消化すること自体が目的になっちゃってるってのも地方の嫌なリアル。

だから不要なハコモノだったりとか更新されないポータルサイトがどんどん量産されていく。もうムダにしかしてないよねーっていう。

地方創生に必要なもの

ここまでは地方の嫌な現実を書いてきたんで、ここからは地方を良くしていくためにはなにが必要かっていう部分。

ただ、ここで大事なのってノウハウだとかそういうものじゃなくって、それこそ考え方そのものなんだと思う。だからこそそれを理解していない行政なんかはお金を無駄に使ってクソ以下の結果しか残せないんだろうなーって思う。

地域活性に必要な「わかもの」「よそもの」「なかもの」

それぞれ解説していくと、わかものは勢いや元気、新しい物をすぐに取り入れられるなどの要素をもっている。

よそものはしがらみがない、地元民とは違った視点から物事を見られるなど、俯瞰的に見ていくためには必要なもの。

そしてばかものは、変わり者だったりかぶき者だったり、要は物怖じしないだとか流されにくいだとか、活動に芯を与えてくれるような存在。

これら3つが地方活性化には必須とされており、さらに付け加えるのあればきれものが必要とされるようで。

このきれものというのは、3つの異なった要素をしっかりとつなぎあわせ、現実的な計画に落としこむという重要な役割があり、現実にこれができるのは政治家ということになる。

要は、どれだけ地方の人間が頑張っても政治と離れていてはなかなか地方の活性化は果たせない。行政と一体になってやっていくことが重要だってこと。

それこそ、政治家に発破をかけて自分たちで動かしていくぐらいの気概が地方創生には必要なのかなって思う。官民連携が大事よ。

ピエロとなり情報発信をする

ピエロって言葉にはもしかしてあまり良いイメージがないのかもだけれど、要はその活動だったり地方だったりを象徴する存在ってことだよね。

わかりやすくイメージするために、シンボルとなるような存在。

たとえば、芸能人だったりスポーツ選手が地域の発展に取り組む!なんてなったら間違いなく話題になるし、象徴としてわかりやすい。

それはたしかにピエロでしかないんだけれど、でもそれくらいにわかりやすいほうが情報も受け取ってもらいやすくなるし、単順に触れるられる機会も増えてくる。

いかにわかりやすく進めていけるかどうかってのは重要なポイントなのかなって思う。

地方は活性化するか否か

すでに色んな所で地方創生の活動は始まっていて、成功事例もあれば失敗としか言いようのない自治体も多く存在するのだと思う。

地方の衰退という問題に対しての解決策を大きい視点で見れば、結局は今の日本の構造である一極集中の状態を壊すしかないと思う。現実にそれを見据えて最近では中央省庁の地方への移転が試験的に進められてもいる。まぁこれに関してはかなり無理矢理勧めている面もあるので反発ももちろんある。

ただ、これらはあくまで政府主導のそれこそビッグプロジェクトになってくるわけで、それとは別で地方は地方でやらないといけないことは山ほどあるのだと思う。

まずは一番最初に必要なのは認知してもらうということ。だれも知らないような街ってのは存在しないのとおんなじだから。

そして安易に他所の成功事例を真似しないこと。よそはよそ、うちはうち!ってのは真理で、自分たちにあったやり方をしないと成功なんてできない。

観光資源に乏しい地方で観光を進めたって雀の涙なように、あるものをうまく使っていかないとね。

逆にないならないでどういったところに価値を見出していくのかってのも大事なんだろうなって思う。

ということで地方創生、簡単なことじゃないと思うけど、だからこそガンガン考えていきましょう。きっとそれ自体が楽しくもなるはず!

それではまたー。